ゆる~く等身大で がんばりすぎない

サピエンス全史  / :ユヴァル・ノア・ハラリ 感想

読書

サピエンス全史と聞いて、あー、アレねと思う人は多いと思う。書店やアマゾンなどで売れている本として紹介されていたことが多かったからだ。事実1200万部以上売れているらしい。 私はアメトーークの読書芸人でカズレーザーさんが紹介していたのを覚えていた。 調べてみたら2017年のアメトーークだった。 当時わたしは進化の話と聞いただけで読むのをやめていた。あまり好きそうなジャンルではなかったからだ。あれから4年ほどだろうか読んでみたら、とても面白かった。冒頭から惹き込まれていく感覚があった。 それは今まで習っていた進化論と全くと言っていいほど違ったからである。

なぜサピエンス全史は面白いのか

認知革命

このサピエンス全史だが、認知革命の本である。認知革命とはホモ・サピエンスだけが許された虚構を信じ合う力である。 この本には3大虚構が書かれている。 貨幣・帝国・宗教だ。この虚構を皆で共有することによってサピエンスは繁栄し、頂点に立ったというのである。

冒頭でも書いたがわたしは進化論とか小難しくて得意ではない。 進化論の知識としては、サルから二足歩行になって武器を使ったといったくらいの知識でまた、興味もそんなになかった。

まずこの本は人類の祖先であるホモ・サピエンスから始まる。流石にその名前は知っていた。あと、ネアンデルタール人だ。このホモというのはヒト属でありサピエンスというのは賢い人という意味らしい。ではそのホモ・サピエンスがいかにして認知革命をもって食物連鎖の頂点に立っていくのかがこの本に書かれているのだ。

サピエンスは地球のおよそ半分の大型生物を絶滅させたとある。どういうことかというとオーストラリア大陸はサピエンスが侵入するまでは体長2メートルにも及ぶカンガルーやダチョウの2倍もある鳥、5メートルもあるヘビがうろついていたが、そこにこのサピエンスが渡るとたちまち絶滅の追いやったというのだ。 海の生物に影響はなかったというのだからこのサピエンスが原因といわれる信憑性は高い。 じゃあどうやって絶滅に追いやったのか興味湧いてきませんか?

サピエンスは噂話をするため言葉がしゃべれるようになった。その噂話とは虚構の話だったかもしれない。たの種族を絶滅に追いやったといっても、武器を使ってとか罠を使ってとかではなく虚構を使って、だ。面白いですよね。 虚構という想像を共有することで強くなるんですよ。

そしてその後サピエンスは農業を覚え農耕民となる。 この農耕民になる時に出会った作物が小麦である。 この小麦と出会うことでサピエンスは爆発的に人口を増やしていくのだがこの小麦が悪魔の作物だったのだ。

なぜ悪魔の作物だったかというと、サピエンスが小麦を作っていたのではなく、小麦がサピエンスを支配していたのではないかとまで書かれている。 そしてこの頃から椎間板ヘルニアや関節炎に悩まされるサピエンスが発見されているというのだ。

話はそれたが、その後サピエンスは小麦の力をもってして繁栄し国家を作っていく、国家にはたくさんの人々が生活しておりその人々をまとめるために更に虚構を作っていく。 それが宗教だ。宗教という虚構をみなで共有しより強固になろうというわけである。 その最たるものがローマ帝国である。いやぁ、壮大な虚構ですよね。 

だがこの虚構も科学の登場で新しい虚構に書き換えらていく。虚構が虚構をアップデートしていくのだ。 その結果、現在サピエンスは生物の頂点に立つことができた。 食べたいものを食べ、欲しい物を買える。これは幸福なのだろうか。これからAIとの融合だったり、AIとの共存が発展していくことは確かだと思う。さてこのあと、サピエンスは何を望むのか著者は問いている。

サピエンス全史はこんな人にオススメ

なんとも壮大ですよね。 

正直わたしは1回読んだだけで全部を理解できたわけではないですし、内容が複雑なトコロは実際ついていけてない部分もありました。 ですが、この虚構というシステムで惹き込まれました。

個人的には小麦が繁栄させた説が面白かったですね。 

でもまあ、最初は興味があまりなかったので最後まで読めるか心配でしたけど不安は杞憂でした。 まぁ、サクッと読むとまではいかなかったですが・・・。

なので、ちょっと難しそうだから敬遠してしてるって人もぜひ読んでみてほしい1冊です。

あ、漫画版も出ているらしいです!